ここから一歩も通さない

小学校3年生のときくらいにそろばんの検定2級と漢検の何級かが合格できれば、ウォークマンを買ってもらえるという約束を親とし、おそらく死ぬほど頑張ってゲットした。青と緑のウォークマン

多くのそらゃもう多くのcdを借りてはパソコンから頑張っていれた。

そこには、元々何曲かデフォルトで入っていて、その洋楽の歌い出しがなぜかおもしろく、空手の道中の車で友達と息が出来なくなるほど笑い合うというのを何日もやった。

ある時は、ソフトバンクのcmに使われていたブルーハーツの情熱の薔薇という曲が、サビとAメロの順番が本当の曲と逆になっている。という友達の指摘を確かめるべく、小学校四年生の時にブルーハーツのアルバムを借り、確かめた。そんなことはどうでも良くなるくらいにそのアルバムにハマり、その翌週には友達のマンションのカラオケがついている貸し部屋で、友達の母親たちの前で俺とその曲を指摘した友達とで、いざこざに巻き込まれて死んでくれないかと熱唱もした。

ある時は、akb48に激ハマりした女子に強く勧められてcdを借り、翌週には借りたアルバムは全部歌えるくらいになっていた

ジャケ買いという概念を知ったのもこの頃で、新作コーナーは高いから中古で売っているイケてそうなものを買い、大当たりも大外れも引いた。

そんな中、小学校5年のときにiphone4sが発売され、真っ先にそれを手に入れた友達がヒーローとなっており、スマホ一台で音楽が聞けるようになる。

そんな感じで役目を終えたウォークマンを久々に聞こうと取り出すと、謎の無題のアルバムがいっぱい入っているだけのものになっている。

え。何これ。

どゆこと?

 

親父が勉強のためにリスニングのテストのようなものを入れていて、その容量確保のために様々な青春が消されていた。

 

泣いた。

 

自分にも年齢の数だけ夏があったと思い出すいい材料がひとつ消えてしまった。こんなに記憶力がないやつにはそれが必要だったのに。

 

泣いた。