思えば院試に落ちた一年前から、ずっと本気で心から笑えていなかった気がする。
何をするにも100パーで笑うみたいなのができていなかったと思う。
芯のほっそいほっそい男である。
去年は家の神棚に挨拶をせずに会場に向かっていたらしい。あとから親に聞いた。
だから今年は、兄から合格祈願のお守りを二つももらい、母親に神棚を掃除してもらって、近所の大師にお参りに行くという、運がなくて落ちたとは言えないくらいに予防線を張った。
前日は、もうやることがなかったけど、確認したい事項が山のようにあり、それやりながら甲子園チラ見していたらいつのまにか夜だった。
久々に緊張して寝れんかったけど、M-1の緊張に比べたら大したことないなと思ったら一瞬で寝れていた。
本当なら９時が試験開始なので８時半に会場の最寄り駅つけばいいっしょくらいに思っていたが、なんとなく予定より一本早い電車に乗った。
又吉がYouTubeで、会場には早めに着いとけって言ってたのをうっすら覚えていたから。
空間に自分を慣らすのに多少時間がかかるので、少し早めに着いておけと。
ドンピシャに当たった。
着いたらすでにめっちゃ人がいてびっくりした。
着いて座った瞬間に試験の説明がはじまった。
え、うんこ行く暇ないやん。
んまええか。
いやむりや、
問題用紙配られた瞬間にすいません、うんこいっていいですか？
れっつらごう。
会場に見事うんをつけることに成功
大体テストの時は、その会場でうんこするというルーティン。
席について精神統一。
久々に手が震えた。
よーいはじめーー。
筆記試験が終わると次は面接。
面接は1時間の休憩後に始まる。
控室にいると、見覚えのあるやつと目が合った。
え？なんでお前いんの？笑
そいつとは、同じ学科なだけで、特にとりわけ仲がいいわけではなく、授業も一緒に受けたこともないし、サークルも違う。けど一回だけ実験のグループが一緒になって、話した。
二言くらい喋って、お互いに多分、あっこいつ気合うやつだってなったんだと思う。
サークルとかが同じだったら友達だっただろうなーっていう。
そいつは去年院試に受かってるはずだから、びっくりして聞いた。なんでいんの？おまえ
あー俺留年しましたーー笑笑
えーーーまじか
院試受かったのに留年したから、今年も受けなきゃなんよーって。
まじかーーー笑笑
俺も留年やねん。
えーーー。
何やってんねん笑
お互い大変やなーーー笑
そんな話をした後に面接。
なんと受験番号が今回一番だったので、真っ先に呼ばれれっつらごう。
他の大学は受験してますか？
いや、してないっす。
えー、、。 倍率わかってる？あなた
はい。笑
落ちたらどーすんの？
いやー、どーするんすかね笑
えーーー。
多分就職か、専門学校行きます。
え？専門学校？
はい。
えっと？どーゆー？
あーまぁなんかクリエイティブな？笑
はぁ笑
お笑いです。
あーーーー笑
んまぁあなたの人生なんで好きにして下さい笑
めっちゃ教授やなーって思いながら終了。
帰路に着く。
帰りの電車でこれは1人だと死ぬなと思い、友達を飲みに誘う。
二つ返事でれっつらごう。
よっしゃ。
教授に合否の結果のメールは明日教えてくださいと挨拶に行ったら、お前のメアド探すのだるいから俺に空のメール送っといて。それに返信する方が楽やから。
と言われていたので、メールを送った。
今日は一旦全部忘れて飲もう。
と思ったけどそんなことできず。
ため息を死ぬほどつく。
すると教授からメールが来ていた。
嬉しすぎるお知らせが書いてあった。
もう明日連絡するのだるいから今日言うわ
おめでとうと。
っしやぁぁぁぁぁぁぁあ
飲むぞーーーーーーーー
ってな感じになりました。
なんかやっと本気で笑えるようになりました笑
恐ろしく繊細で引きます。
みんな何かしら抱えながら生きているというのに、自分は荷物が一個なだけでひぃひぃ言ってしまう。
けどとりあえずよかった。
ほんまによかったーーー
友達へ感謝のメールをしまくると、みんなが気遣ってくれていたことにやっと気づいた。
まじで色々ありがとうございますーーー
お陰様でなんとかなにやした
最高
