待ってるからな、ゆっくり食べや

いつも大阪に行く時は、母の作ったおにぎりとおーいお茶のセットだった。

 

子供たちが夏休み期間になると必ず母は実家に帰り、孫の顔を両親に見せる代わりに洗濯掃除炊事の全てを祖母に任せ、昼近くまで大の字で寝るので、起きたら必ずおはようではなく、おそようと言われていた。

 

そのおかげで俺たちは夏休み期間の長い間大阪でおじいちゃんとおばあちゃんと過ごした。

 

おばあちゃんは最初は怖いなーと思っていた。

 

なぜなら、ばあちゃんちの冷蔵庫からアイスを取ろうと開けた時に、ひとんちの冷蔵庫を勝手に開けない。と怒られた。

 

え、ひとんち?

 

んまぁ、ひとんちだけど。

 

そんな距離感なん?ってなってからは、ばあちゃんの地雷を避けつつ可愛がってもらっていた。

 

じいちゃんはずーっと優しかった。

ベタベタした優しさではなく、温もりのある優しさだった。

 

じいちゃんとは毎年何かを作った。

機械を使う時だけ、厳しく怒られたが。

 

行きも帰りも新幹線は楽しかった。なんでやろね。

 

もう移動手段でしかなくなりつつあるのが悲しくもない。

 

ゴリゴリの駅弁を食らってうんこ行って帰るのだ。