唄う

52ヘルツのクジラたちという映画を鑑賞。

 

虐待を受け家族の呪いから抜け出せなかった過去を持つ主人公が、ある街で虐待を受けて声が出せなくなった子供と出会い、放っておけずに一緒に暮らし始める。

 

映画はその中で過去の日々を回想していく形で構成されていた。

 

2度見る体力はないくらいに苦しすぎた。

いわゆる加害者として描かれている者たちにも、欲しい形の愛があって同情の余地がほぼないに等しいがほんの少しだけあるように映画では見えてしまって、それが余計にしんどかった。悪者は全ての要素で悪者であってくれていたほうが簡単に憎めて整理がつくから。

 

愛という要素がいろんな形で迫ってきてしんどかった。

 

良かれと思って投げた愛が欲しいものではなかったり、欲しい愛がもらえないからと加害に走る人間の弱さと、包み込んでなお死を選ぶしかなかった切なさと、ひとえに歪んだ愛というにはあまりにも多様で、結末のみでしか語れない残酷さが息苦しかった。

 

ただ見なければいけない映画だったんだなと思った。